1月21日(日)
ホテルで軽い朝食をとって2台のタクシーに分乗、北京首都空港に向かう。3時間半のフライトで昆明に着いた。やはり南の地、暑い。半そででちょうどいい。監督が手配してくれたマイクロバスで元陽に向かって出発。その前に腹ごしらえ、通称キノコ・ストリートの有名店・野菌飯店でキノコ鍋を食べる。これが絶品。20数種類のキノコを鳥のぶつ切りと鳥の油のスープで煮込む。マツタケ、しいたけ、しめじ、はつたけ、まいたけ、ふくろだけ、その親戚たち、さっと干したものと生と違った食感を楽しめる。付け合せ(?)は竹の節につめて炊いたもち米と竹につく虫のから揚げ、もち米のもちもちと虫のこうばしさ。忘れられない。満腹で幸せな気分。しかし、この時はまだ、元陽への過酷なドライブが待っていようとは露ほども知らなかったのだ。
380キロの行程は、快適な高速道路の走行が半分、途中から左が崖になっているラリーのような走路になる。山の中を走るころは日も暮れてきた。しかも行けども行けども民家が見えない。その不安から、Hさん、M氏という優秀なカメラマンと売れっ子デザイナーをここに連れてきたことを後悔し始めた。長いトンネルを越えたところから急に深い霧になった。その時、この思いは最高潮に達した。一寸先も見えない6メートルほどの道巾なのに対向車はなぜか大型トラックばかり、霧と暗さのせいで何を積んでいるのか分からないが、ひっきりなしにすれ違った。そうかと思うと、何か重そうな荷物を満載したトラックが前方をノロノロと走っている。そのトラックを、警笛を鳴らしまくりながら追い越していく。運転席の後ろにいた僕は、運転もしていないのに緊張して汗だく。
道々、夜も遅いのに道路際に果物を売る夜店が現れる。Nさんがモンキーバナナのお兄さんくらいの大きさのバナナを買った。一房に200本近いバナナがついていた。これが翌日、大きな威力を発揮した。
町らしい集落をいくつか過ぎて元陽に到着。中国の田舎町で、レンガ造りの小さな家ばかり。本当に外国人が泊まるようなホテルがあるのだろうかと思ったが、急な坂を左にカーブすると霧の中に雲梯大酒店が現れた。唯一エレベーターのある建物だ。昆明空港から6時間強かかった。外は寒い。2000メートルの高地だからか、暖冬日本の1月より寒い。ホテルに入ったらもっと寒かった。暖房が入っていなくて、ベッドには電気毛布があった。ドイツ在住のHさん曰く「寒い時期が短いから暖房装置がないのでしょう。ドイツの家に冷房がないのと同じですよ」
ホテルでリー・ミンが待っていた。一昨年アジアフォーカス福岡映画祭で会って以来だ。大人になった感じはするが、『雲南の少女 ルオマの初恋』のイメージは損なっていなかった。あとは天気がいいことを祈るだけ。
雲南省のお役人、自治州のお役人、元陽県のお役人、ハニ族のお役人が出迎えてくれて食卓を囲んだ。お役人たちの何人かは、全日程撮影に同行してくれると言う。トマトと卵の炒め物、鶏肉と野菜の炒め物等中国の定番料理に混じって、ミントの炒め物、ドクダミの茎のサラダという元陽県ならではの料理もあった。野菜大好きのHさんと僕は大喜びだった。
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